ステップワゴンで車中泊をしようと考えたとき、多くの人がまず気にするのが「シートをどうやってフラットにするか」です。でも実は、それだけじゃないんです。実際にステップワゴンで車中泊を経験したユーザーたちは、「ベッドは作れたけど荷物の出し入れが面倒」「思ったより収納スペースがなくて冷蔵庫を置く場所に困った」といった、事前にはわからないリアルな課題に直面しています。
この記事では、ステップワゴンのシートアレンジパターンを3つに分けて、それぞれのメリット・デメリットを比較するとともに、既存のガイド記事ではほとんど触れられていない「収納と居住性のトレードオフ」や「DIYで失敗しがちなポイント」まで、実ユーザーの声をもとにお届けします。さらに、2026年7月に発表されたばかりの最新カスタムモデル情報も紹介するので、購入を検討中の方にも役立つ内容になっています。
ステップワゴンで車中泊:3つのシートアレンジパターンとその特徴
Hondaの公式情報(2022年7月公開)によると、新型ステップワゴンでは主に3つのシートアレンジパターンが用意されています。それぞれ就寝可能人数や車内の使い勝手が大きく異なるので、自分のスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
パターンA:3列目を床下格納して広々フラットに
3列目シートを床下に完全に収納する方法です。このとき、2列目シートを最後端までスライドさせると、最大で縦約174cm×横約96cmのフラットスペースが生まれます(Honda公式サイトより)。大人2名がゆったり寝られるサイズ感ですが、高さ方向の余裕が最も大きいのが特徴です。
向いているシーン:キャンプ場に到着したら荷物をすべて車外に出すスタイル。車内は専用の寝室として使い、高さを活かして着替えや軽作業もスムーズに行えます。
気をつけたいポイント:荷物を収納するスペースがほぼなくなる点です。3列目を収納するための床下スペース自体が荷室ではなくなってしまうので、寝具以外のギアはすべて1列目・2列目シートの上か足元に置くことになります。つまり、車内で寝るときは荷物の置き場に常に悩むことになるんですね。
パターンB:2列目・3列目の背もたれを倒して長尺フラットに
2列目と3列目の背もたれを前方に倒す方法です。Honda公式によると、このアレンジでは約200cm×約120cm(ベンチシートの場合)のスペースが確保できます。大人2名がゆったり寝られるのはもちろん、3列目後方のラゲッジスペースはそのまま使用できるのが大きなメリットです。
向いているシーン:道の駅やサービスエリアでの仮眠や、連泊する場合に荷物をあまり移動させたくないとき。特に釣り道具などかさばる荷物が多いユーザーからは「ラゲッジスペースが残るので助かる」という声が複数見られました。
気をつけたいポイント:2列目シートと3列目シートの間に約10cmの段差が生じます。この段差をどう解消するかが快適性の分かれ目です。後ほど詳しく解説しますが、エアマットやDIYベッドキットの選び方が重要になってきます。
パターンC:1列目・2列目の背もたれを倒して超ロングに
運転席・助手席と2列目の背もたれを倒す方法です。最大で約223cmの長さが確保できるため、大人2名+子ども2名の計4名就寝も理論上は可能とされています(Honda Access公式ブログ、2024年10月)。ただし、1列目と2列目の間には約30cmの隙間ができる点に注意が必要です。
向いているシーン:緊急避難的な車中泊や、ファミリーキャンプでの子どもたちの寝床確保。普段は普通の乗用車として使いたい人にも向いています。
気をつけたいポイント:運転席を動かすため、就寝前にすべての荷物を移動させる手間が発生します。また、1列目と2列目の間にできる隙間を埋めるための工夫が必須です。
2026年最新動向:ポップアップルーフ搭載の新型カスタムモデルが登場
ここで、2026年7月の最新ニュースをお伝えします。2026年7月11日から12日にかけて開催された「東京キャンピングカーショー2026」において、ホワイトハウスキャンパーが新型ステップワゴンをベースにした「DECK ONE POP JOY」を出展しました(Yahoo!ニュース、2026年7月13日記事より)。
このモデルは、ポップアップルーフ(就寝スペース:約2350mm×1060mm×1060mm)と室内ギャレー(キッチン)を搭載した本格的なキャンピングカーコンバージョンで、即納モデルの価格は685万4000円です。一般的なステップワゴン新車価格(約334万円~440万円、Honda公式サイトより)と比べると約2倍の価格帯ですが、「プロにフルカスタムを頼むとここまでできる」というひとつの到達点を示したモデルと言えるでしょう。
一方で、「そこまでしなくても、自分でDIYして数十万円で快適な車中泊環境を作りたい」というニーズも根強くあります。次のセクションでは、実際のDIY事例とリアルなユーザーの声をもとに、コストと手間をどうバランスさせるかを考えていきます。
フラット化の3つの手法:段差解消は何を選ぶべきか
前述の通り、パターンBやCではシート間に段差が生じます。この段差を解消する方法は大きく分けて3つあり、それぞれコスト・手間・寝心地が異なります。DRIMOに掲載された実体験レポート(2025年12月)や、Honda Access公式ブログの情報(2020年12月、旧型の情報ですが手法としては参考になります)をもとに比較してみましょう。
1. 専用ベッドキットを自作または購入する
最も確実にフラットな寝床を作れる方法です。DRIMOのレポートでは、木材を使ってベッドフレームをDIYした事例が紹介されており、材料費は約37,000円だったとのこと。段差を完全に解消できるだけでなく、フレーム下に収納スペースを作れるのが大きなメリットです。
ただし、設置と撤去に手間がかかる点と、車内の収納スペースを圧迫する点がデメリットです。あるユーザーからは「ベッドを固定すると床下収納にアクセスしづらくなり、荷物の出し入れが面倒になった」という声も上がっており、DIYで作る場合は「2列目シートを戻せる構造にする」などの工夫が求められます。
2. 厚手のエアマット(インフレータブルマット)を使う
空気で膨らませるマットレスを使う方法です。数千円~1万円台で購入でき、設置・撤去が非常に簡単なのが魅力。段差をある程度吸収してくれるので、初心者にもおすすめです。
デメリットは、空気圧の調整がシビアなことと、パンクのリスクがあること。また、完全なフラットにはならず、寝返りを打つたびにマットが動くこともあります。口コミでは「エアマットでも快適に寝られたけど、朝起きたら段差のところで腰が痛かった」という声も見られました。
3. クッションやタオルで部分的に埋める
最も手軽な方法で、数百円~千円程度で済みます。段差の部分にクッションやタオルを詰めて凹凸をなくすという原始的な方法です。
コストはほぼゼロに近いですが、寝心地は調整次第で、完全なフラットは難しいのが現実です。また、寝返りでクッションがズレてしまうことが多く、「夜中に何度も直しに起きた」という体験談も。緊急時や1泊だけの利用にとどめておくのが無難でしょう。
ユーザーのリアルな声から見える「隠れたストレス」とその対策
SNSやQ&Aサイト、DIY体験ブログなどを調査したところ、ステップワゴンでの車中泊に関するポジティブな声(約4~5件)とネガティブな声(約5~6件)が確認できました。ここでは、既存のガイド記事にはほとんど書かれていないネガティブな論点を中心に紹介します。
収納のトレードオフ:ベッドを作ると荷物が出せなくなる
複数のユーザーから挙がっていたのが、ベッドを設置すると床下収納やラゲッジスペースにアクセスしづらくなるという問題です。特にパターンA(3列目床下格納)を選んだ場合、そもそも床下スペースはシート収納で埋まってしまうため、車内に荷物を置く場所がありません。
解決策としては、ルーフボックスの活用や、1列目・2列目の足元スペースを有効活用する収納ケースを導入する方法があります。また、DIYベッドの場合、ベッドフレーム下にスライド式の収納ボックスを組み込むという工夫をしているユーザーもいました。
狭さ問題:2人+釣り道具は厳しい?
「2人分の釣り道具と車中泊装備では想像以上に狭く、冷蔵庫の置き場に困った」という声も複数確認されました。これは車中泊初心者が陥りがちな罠で、「寝られればいい」と割り切って装備を減らすか、車外にテントを張って荷物を置くという選択肢も考慮すべきでしょう。
プライバシー:純正シェードだけでは光漏れが気になる
Honda純正のプライバシーシェードはありますが、ユーザーからは「純正シェードだけでは光漏れが気になる」という声が多数。特に道の駅やサービスエリアなど人目のある場所で車中泊をする場合、遮光性は重要です。
対策としては、カーテン用のマグネットシートを自作したり、断熱シートを窓に貼る方法が有効です。DRIMOのDIY事例では、カーテン設置に約8,000円かけたというレポートもありました。
グレード選びのポイント:エアーとスパーダ、どっちが車中泊に向いてる?
上位記事にはあまり書かれていませんが、車中泊をするならグレード選びも重要です。新型ステップワゴンには「エアー(AIR)」と「スパーダ(SPADA)」の2つのグレードがあり(Honda公式サイトより)、それぞれシート仕様が異なります。
エアーはベンチシート(3人掛け)が標準で、パターンBのアレンジ時に約120cmの横幅が確保できます。一方、スパーダはキャプテンシート(2人掛け)が標準で、2列目にアームレストやオットマンが装備されているため、車内でくつろぐ快適性はスパーダが上です。ただし、キャプテンシートの場合、パターンBで2列目を倒しても中央に大きな隙間ができるため、就寝時のフラット性ではエアーに軍配が上がります。
つまり、「車中泊での寝心地を最優先するならエアー(ベンチシート)」、 「移動中の快適性や車内での寛ぎを重視するならスパーダ(キャプテンシート)」という住み分けができるでしょう。
まとめ:自分に合ったスタイルを見つけて、ステップワゴン車中泊を楽しもう
ステップワゴンでの車中泊を成功させるカギは、「どのアレンジを選ぶか」だけでなく、「そのアレンジに合った収納計画と段差対策をどうするか」にあります。Honda公式のシートアレンジ情報だけではわからない、収納のトレードオフやDIYの失敗談、そして2026年7月に登場した最新カスタムモデル「DECK ONE POP JOY」の存在まで、この記事でお伝えした内容を参考にしていただければと思います。
購入前の方は、「エアー」と「スパーダ」のシート仕様の違いをしっかり比較してから決めるのがおすすめです。すでに所有している方は、まずは一泊程度のショートトリップで、自分に合ったアレンジと段差解消法を試してみてください。失敗は成功のもと。リアルなユーザーの声を参考にしながら、あなただけの快適なステップワゴン車中泊スタイルを見つけていきましょう。

コメント