2026年は、SUV車中泊の常識が変わる年になりました。日産エクストレイルに車中泊専用モデル「Rock Creek Multi Bed」が登場し、マツダからはフルモデルチェンジした新型CX-5が、ホンダからはアウトドア仕様のZR-V「クロスツーリング」が発表されるなど、各メーカーが本気で車中泊ユーザーを取り込もうと動いているからです。結論から言うと、今SUV車中泊を考えるなら、この3台の新型車を軸に選ぶのが間違いありません。それぞれが車中泊にどこまでこだわっているのか、カタログスペックだけではわからない「実際に寝てみたらどうなのか」という視点も含めて、徹底的に比較していきます。
2026年、SUV車中泊が大きく変わった3つの理由
まずは、なぜ「今」SUV車中泊の選択肢が大きく広がっているのか、その背景から押さえておきましょう。これまでSUV車中泊といえば、アウトランダーPHEVの1500W電源やRAV4の広い荷室が注目されることが多かったですが、2026年に入って状況が一変しました。
最大のトピックは、日産が2026年2月27日に発売したエクストレイル「Rock Creek Multi Bed」 です。これは単なる特別仕様車ではなく、車中泊を前提に開発されたモデルで、荷室に1800mmの大床を実現。さらに60mm厚の専用マットレスと170mmの床下収納まで備えています(FindCar 找車網、2026年1月発表)。これまで「SUVを車中泊用にカスタマイズする」のが当たり前だった流れを、メーカーが「最初から車中泊仕様で出す」という形に変えたインパクトは非常に大きい。
続いて、マツダが2026年5月21日にフルモデルチェンジした新型CX-5も見逃せません。ホイールベースを先代比で115mmも延伸し、後席を使用した状態でも荷室長994mmを確保。後席を倒せば1845mmのほぼフルフラットな空間が生まれます。しかも純正のベッドクッションまで用意しているんです(くるまのニュース、2026年5月)。マツダがここまで車中泊を意識したモデルを出してきたのは初めてではないでしょうか。
そしてホンダも2026年3月下旬にZR-Vの一部改良を実施。アウトドア志向の特別仕様車「クロスツーリング」を追加し、荷室は定員乗車時で890mm、容量395Lを確保しています(くるまのニュース、2026年3月)。ヴェゼルよりもひと回り大きなボディを活かし、車中泊を見据えた設計が随所に感じられます。
つまり、2026年は「車中泊に最適化されたSUV」が一気に増えた年であり、これまで「フルフラットに近いから」という理由で選ばれていた旧型車とは、快適性の次元が違うのです。
新型3モデルの車中泊性能を徹底比較
それでは、この3台を具体的に比較していきましょう。車中泊で最も気になるのは「実際に寝られるスペースがあるか」「電源はどうか」「室内で快適に過ごせるか」の3点です。
就寝スペースの実力:専用設計か、汎用設計か
まず就寝スペースですが、ここで大きな差が出ています。
日産エクストレイル Rock Creek Multi Bedは、車中泊専用に設計されているだけあって、最初からベッドとしての完成度が桁違いです。荷室の全長1800mmという数字は、身長170cm前後の人なら余裕で足を伸ばせます。そして何より注目したいのが、60mm厚の専用マットレスと170mmの床下収納です。これまでのSUV車中泊では、別売りのマットレスを買って、さらに荷室の段差を解消するためのパッドを重ねるのが当たり前でした。しかしこのモデルは、それらをすべてメーカー純正で済ませられる。収納スペースが床下に確保されているのも、就寝中に荷物を置く場所に困らないという大きなメリットです。
次にマツダ新型CX-5。後席格納時の全長1845mmはエクストレイルを上回ります。しかも新型では、ヘッドレストを外して枕代わりにできる設計を採用。純正のベッドクッション(価格は現時点で未公表)を合わせれば、かなり快適な寝姿勢が得られるでしょう。ただしエクストレイルのように床下収納が標準であるかは現時点では不明で、その点は実際に実車を確認する必要がありそうです。
ホンダZR-Vクロスツーリングは、荷室サイズの詳細な数値がまだ公表されていない部分もありますが、定員乗車時の荷室長890mmという数字からすると、後席を倒せば1800mm前後にはなると推定されます。ただし、エクストレイルのような車中泊専用の付加価値は現時点では確認できていません。
AC電源の有無と出力:車内で何ができるか
車中泊の快適さを左右するもう一つのポイントが電源です。特に夏の扇風機や冬の電気毛布、あるいは調理家電を使いたいとなると、電源の有無は死活問題です。
エクストレイルRock Creek Multi Bedは、一部グレードで1500WのAC電源が利用可能です(ベストカーWeb、2026年6月)。この出力があれば、一般的な電気ケトルやドライヤー、ポータブル冷蔵庫も問題なく動かせます。ただし全グレード標準ではない点には注意が必要で、購入時にはオプションやグレード選択を確認する必要があります。
マツダ新型CX-5のAC電源仕様は、現時点ではっきりした情報が確認できていません。マツダはこれまで電源出力に積極的ではなかったメーカーなので、この点は今後の発表を待つか、ディーラーでの確認が必要です。
ホンダZR-Vも同様に、AC電源の詳細は未確認です。このため、車内で電化製品を積極的に使いたいユーザーにとっては、エクストレイルやアウトランダーPHEV(1500W標準装備)が依然として強い選択肢になりそうです。
ちなみに、三菱アウトランダーPHEVは全グレードで1500W給電が標準装備(2026年7月時点のカタログ値)であり、エクストレイルと並んで「電源性能で選ぶ」なら外せない一台です。
ユーザーが実際に感じる「SUV車中泊のリアルな不満」とは
ここまではメーカー公表のスペックを見てきました。でも、実際にSUV車中泊を経験した人の声を聞くと、カタログには出てこない「リアルな不満」がいくつも浮かび上がってきます。
「フルフラット」と書いてあるのに、実際は違った
これは、X(旧Twitter)やYahoo!知恵袋で非常に多く見られる声です。「カタログにフルフラットって書いてあったのに、実際は座面の段差が気になる」「思っていたより傾斜があって寝づらかった」という投稿が複数確認されました。メーカーが言う「フルフラット」の定義は意外と曖昧で、完全な水平ではなくても「ほぼフラット」と表現されるケースが多いんです。
この点、エクストレイルRock Creek Multi Bedの60mmマットレスは、そうした段差や傾斜を吸収する目的もあっての厚みでしょう。新型CX-5の純正ベッドクッションも同様です。つまり新型車の専用ソリューションは、この「フルフラット神話」のギャップを埋めるために開発されたと言えます。
室内高が低いと、着替えや食事が本当にツライ
もう一つ、多くの口コミで挙がっていたのが「室内高の低さ」です。SUVはミニバンに比べて全高が低いため、車内で座ったまま着替えようとするとかなり窮屈。身長が高い人ほどこのストレスを感じる傾向があります。
新型3モデルについても、カタログに「室内高」の数値が明記されていないケースがほとんどです。車中泊で「車内でどれだけ快適に過ごせるか」を重視するなら、室内高の実測値や、実際に座ってみたときの圧迫感をぜひ実車で確認してほしいと思います。
収納スペースの問題も地味に大きい
荷室で寝るということは、当然ながら寝る間の荷物の置き場所がなくなります。この「寝るときに荷物をどこに置くか」という問題は、口コミでも頻繁に挙がっていました。エクストレイルの床下収納は、この点に対する明確な回答になっているのがわかります。
2026年SUV車中泊、具体的な車種選びのポイント
さて、ここまでの比較を踏まえて、どうやって車種を選べばいいのか。いくつかの視点で整理してみましょう。
車中泊の頻度が高い人 → エクストレイルRock Creek Multi Bed一択
月に数回以上、本格的に車中泊をするという人には、最初から車中泊用に設計されたエクストレイルRock Creek Multi Bedが最も適しています。マットレス、収納、寝返りを打つスペースすべてが最適化されており、後付けのカスタマイズがほぼ不要。購入価格は約532万円(2026年2月発表時点)と決して安くはありませんが、快適性に投資する価値は十分にあります。
走行性能とデザインを重視する人 → 新型CX-5
マツダらしい運転の楽しさと上質なインテリアを重視するなら、新型CX-5が有力です。車中泊機能も純正オプションでカバーされ、走行性能は同クラスでもトップクラス。価格はまだ正式発表されていませんが、先代の284万円〜を基準に考えると、エクストレイルよりは手が届きやすい価格帯になる可能性があります。
価格と使い勝手のバランス → ZR-Vクロスツーリング
ZR-Vは371万円〜(2026年3月一部改良時点)という価格帯で、エクストレイルよりはリーズナブル。新型CX-5よりも先に価格が明確になっているのもメリットです。車中泊の快適性はエクストレイルには及びませんが、日常使いとアウトドアをバランスよく両立させたい層にはフィットするでしょう。
結局、どのSUVを選ぶべきか
2026年8月現在、SUV車中泊で最も注目すべきは間違いなく日産エクストレイルRock Creek Multi Bedです。メーカーが本気で車中泊を想定して設計したという点で、他の追随を許しません。ただし価格が高いというハードルがあるため、予算を抑えたい場合は新型CX-5やZR-Vも十分に検討対象になります。
重要なのは、カタログの「フルフラット」という言葉を鵜呑みにしないこと。実際にディーラーに行き、後席を倒して自分が横になってみる。そのときに段差はどれくらいか、足はどこまで伸ばせるか、頭はつかえないか。そして車内で座ってみたときの圧迫感はどうか。この「実体験」こそが、最適な一台を選ぶための近道です。
2026年はSUV車中泊の選択肢が大きく広がった年です。最新モデルならではの快適装備を活かして、あなただけの理想的な車中泊ライフをぜひ実現してください。

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