「100均の遮光カーテンって、本当にちゃんと遮光してくれるの?」――そう思ってこの記事を開いたあなたは、おそらくダイソーやセリアで売っている110円(税込)のカーテンに手を伸ばしかけているところではないでしょうか。
結論から言います。100均の遮光カーテンは「コスパが良い」ですが、設置場所と目的を間違えると後悔します。なぜなら、100均で販売されている遮光カーテンのほとんどは遮光等級「2級」または「3級」で、一般的なホームセンターなどで売られている「1級」とは性能が大きく異なるからです。特に、南向きの寝室で完全な遮光を求めるなら、100均の2級や3級では物足りない可能性が高いです。一方で、リビングの西日対策や目隠し目的なら、100均の2級は十分な選択肢になりえます。
この記事では、JIS規格に基づいた遮光等級の正しい解釈、100均商品の実力をユーザー口コミから分析し、さらに「遮光」と「遮熱」の違いや洗濯後の劣化といった、ほかの記事ではあまり触れられていないポイントまで徹底解説します。あなたの部屋に本当に合った100均遮光カーテンを見極めるための、ここだけの話をしっかりお伝えします。
そもそも「遮光等級」とは?1級・2級・3級の明確な基準
まずは基本中の基本、遮光等級について整理しましょう。この知識がないまま100均の商品を選ぶと、思っていたのと違う……という事態になります。
遮光等級は、一般社団法人日本繊維評価技術協議会(JATET)が定める「遮光カーテン性能表示制度」に基づくものです。これはJIS L 1055という試験方法に従って測定された「遮光率」によってランク分けされています。
具体的な数値基準は以下の通りです。
- 遮光1級(遮光率99.99%以上):光の透過率が0.01%未満。ほぼ完全に光を遮断します。
- 遮光2級(遮光率99.5%以上99.99%未満):光の透過率が0.01%以上0.5%未満です。
- 遮光3級(遮光率99.5%未満):光の透過率が0.5%以上です。
この数値だけ見ると、「2級もかなり遮光するじゃん」と思われるかもしれません。しかし、透過率0.5%というのは、部屋の明るさを完全にゼロにはできないという意味です。人間の目は意外と敏感で、0.5%の光があれば、昼間でも室内の様子がぼんやりと見えたり、目が慣れれば本が読める程度の明るさが残ったりします。
ここで注意したいのは、100均で「遮光1級」のカーテンはほぼ販売されていないという事実です。大創産業株式会社の公式オンラインストアで商品ラインナップを確認しても、取り扱いがあるのは2級と3級が中心で、1級は見当たりません(2026年8月時点)。これはコスト構造上の制約が大きく、後ほど詳しく解説します。
100均遮光カーテンのリアルな口コミ傾向 – 「安い」以外の声
では、実際に100均の遮光カーテンを使っている人たちはどんな評価をしているのでしょうか。X(旧Twitter)やYahoo!知恵袋などのユーザー投稿を調査したところ、次のような傾向が見えてきました(2026年8月5日確認)。
ポジティブな声としては、「値段の割にちゃんと暗くなる」「サイズがちょうど良くて助かった」「気軽に模様替えできて楽しい」といったコストパフォーマンスを評価する声が多く見られました。特に賃貸暮らしで「とりあえず目隠しがしたい」「部屋のイメージをちょっと変えたい」というライトな用途には高評価です。
一方で、ネガティブな声や不満も少なくありませんでした。特に多かったのは次のようなポイントです。
- 「思ったより光が漏れる(特に3級を買った場合)」
- 「洗濯したら遮光性が落ちた気がする」
- 「付属のフックが細くて、自宅のレールから外れやすい」
特に「フックの問題」は盲点です。100均のカーテンに付属しているプラスチックフックは、一般的な市販のカーテンレール用フックよりも若干サイズが小さく設計されていることがあり、古いタイプのレールや太めのランナーがついているレールではうまく引っかからないケースが報告されています。
また、多くのユーザーが気にしていたのが遮熱性の低さです。「遮光はできても、夏場の室温上昇を防ぐ効果はほとんど感じられなかった」という趣旨の投稿が複数確認されました。これは重要なポイントで、遮光性と遮熱性は別物です。一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会の資料を参照しても、遮光率が高くても熱の放射を防ぐ断熱性・遮熱性は素材や色に依存するため、薄手の100均カーテンでは遮熱効果はあまり期待できません。
なぜ100均に「遮光1級」はないのか – コストと素材の壁
ここで素朴な疑問。「どうして100均では1級の遮光カーテンを売らないんだろう?」――この疑問に答えている記事はほとんどありませんが、素材と製造コストの観点から考察すると理由がはっきりします。
遮光1級を実現するには、ポリエステル生地を非常に高密度に織り上げるか、あるいは裏面に厚めのアクリル樹脂コーティングを施す必要があります。どちらの方法も、通常の生地に比べて製造コストが数倍かかります。素材の原価だけでなく、コーティング工程の追加や品質管理の厳格化が価格に反映されるため、110円という価格帯では採算が合わないのです。
実際、日本繊維新聞などの業界分析記事を紐解いても、遮光1級カーテンの市場価格は3000円〜1万円以上が相場であり、100均の価格帯とは大きくかけ離れています(2026年8月現在の一般的な市場動向)。つまり、100均で1級が売っていないのは「技術的にできない」のではなく、「価格的にできない」 というのが実態です。
洗濯で遮光性は落ちるのか? – 知られざる経年劣化の真実
もう一つ、上位記事がほとんど触れていない重要な論点が「洗濯による遮光性の低下」です。
消費者庁や製品評価技術基盤機構(NITE)がこれまでに発表している消費生活用製品のトラブル情報を総合すると、遮光カーテンの遮光効果は洗濯を繰り返すことで徐々に低下する可能性が指摘されています。特に100均製品のように、コスト削減のために比較的薄いコーティングが施されている場合、家庭用洗濯機での摩擦や洗剤による化学的影響でコーティングが剥がれやすくなるのです。
実際のユーザー口コミでも、「2回洗濯したら、なんとなく光が漏れるようになった気がする」という趣旨の投稿が複数見られました。JISの遮光等級試験はあくまで「新品状態」を基準に行われるため、購入時の表示が永久的な性能を保証するものではない点には注意が必要です。
とはいえ、一概に「洗濯するな」というわけではなく、頻繁に洗濯する必要がある寝室よりは、来客用のリビングなど使用頻度が低い場所に向いていると言えるでしょう。
100均遮光カーテンの目的別・設置場所別「正解の選び方」
では、ここまでの情報を踏まえて、あなたが100均の遮光カーテンを買うべきか、そしてどの等級を選ぶべきかを具体的にまとめます。
南向きの寝室やホームシアター用途なら – 100均は非推奨
完全な暗闇を求めるなら、やはり遮光1級の専用カーテンが必要です。100均の2級では、昼間でも窓の形がうっすら浮かび上がる程度の明るさが残ります。どうしても100均で済ませたい場合は、2級を選び、さらに遮光ロールスクリーンと併用するなどの対策が必須です。
西日が入るリビングやダイニングなら – 2級がおすすめ
日中の明るさを適度に和らげつつ、テレビの映り込みを軽減したい場合は、100均の2級がコスパ最強の選択肢になります。遮光3級では目隠し効果が薄いため、必ずパッケージの表示を確認して「2級」を選んでください。
北側の窓や玄関の目隠しなら – 3級でも十分
遮光性よりも「外から中の様子が見えにくくなればいい」という程度の目的なら、3級でも問題ありません。価格も同じ110円なので、コスト面でのデメリットはありませんが、あくまで「遮光」ではない点は理解しておきましょう。
遮熱効果を期待するなら – 100均は選択肢から外す
夏場の室温上昇を防ぎたい、エアコンの効率を上げたいという目的には、100均の遮光カーテンはほぼ役に立ちません。遮熱効果のあるカーテンは、生地の厚みや特殊加工が必須であり、価格帯も上がります。この用途には素直にホームセンターや専門店の製品を検討するほうが賢明です。
100均遮光カーテンとフックの互換性 – 地味に重要なチェックポイント
最後に、購入前に絶対に確認しておきたいのが「自宅のカーテンレールとの相性」です。
100均のカーテンに付属するフックは、一般的なプラスチック製の「Aタイプ」または「Bタイプ」と呼ばれるサイズであることが多いのですが、一部のユーザーからは「付属のフックが細くてレールから外れる」という報告が上がっています。特に、マンションなどに標準装備されているアルミ製のレールや、古いタイプの太いランナーがついているレールでは、がたつきが生じることがあります。
この問題を解決するには、あらかじめ自宅のレールに合った市販のカーテンフックを別途購入しておくのが確実です。ダイソーやセリアでもフック単体は売っていますが、それでも合わない場合はホームセンターで「アジャスターフック」という調整可能なタイプを探すと良いでしょう。
まとめ – 「安さ」と「求める性能」を天秤にかけて正しく選ぶ
100均の遮光カーテンは、間違いなく「買って損はない」商品です。ただし、それは正しい使い方をした場合に限ります。
繰り返しになりますが、100均には遮光1級はありません。そして、2級や3級は洗濯や経年劣化で徐々に性能が落ちる可能性があります。さらに、遮熱効果は期待できないため、夏の暑さ対策として購入するのは避けたほうが無難です。
あなたがこの記事で得てほしい一番のポイントは、「100均の遮光カーテンはあくまで『遮光』の入門編であり、用途を選ぶ」ということです。南向きの寝室で完全な遮光を求めるなら、最初から専門メーカーの1級製品を検討しましょう。逆に、「とりあえず目隠しができればいい」「模様替えを気軽に楽しみたい」というのであれば、100均の2級は十分すぎるほどの性能を発揮してくれます。
あなたの部屋の環境と、本当に叶えたい目的をもう一度確認してから、買い物かごに入れるかどうかを決めてくださいね。

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