ここ数年、国内旅行の宿泊費がどんどん上がっているのを実感している人は多いはず。実際、日本総合研究所の2025年6月の調査では、日本の宿泊費がコロナ禍前と比べて1.3倍にまで上昇しているんです。そんな中で改めて注目を集めているのが「車中泊旅」という選択肢。でも、車中泊ってただ安く済むだけの“貧乏旅行”なのか、それとも新しい旅のスタイルとして確立されつつあるのか——。
結論から言うと、2025年現在の車中泊旅は「節約」と「新しい体験」の両方の顔を持ち、選択肢が大きく広がっている時代です。特に2025年7月からローソンが本格的な車中泊サービスを始めたことで、従来の「道の駅で無料で寝る」スタイルとはまったく異なる、有人管理・電源付きの安心プランが登場。宿泊費が高騰する今だからこそ、車中泊旅を「賢い選択肢」として再評価するタイミングが来ています。
この記事では、最新のサービス情報や実際の利用者の声、そして車中泊を快適にするためのリアルなノウハウまで、2025年8月時点の最新データをもとに詳しく解説していきます。
車中泊旅が注目される3つの背景
そもそも、なぜ今こんなに車中泊旅が話題になっているのでしょうか。いくつかの社会変化が重なっています。
宿泊費の高騰が追い風に
先ほども触れたように、日本総合研究所の調査で宿泊費はコロナ前の1.3倍に。円安の影響もあり、海外からの観光客が増えていることが主な要因と言われています。ビジネスホテルでも一泊1万円超えは当たり前になり、家族旅行となると宿代だけでかなりの負担に。そうした「宿代が高くて旅行に行きづらい」という悩みを抱える人たちが、車中泊旅に目を向け始めているんです。
「管理された車中泊」という新ジャンルの誕生
これまでの車中泊といえば、道の駅やサービスエリアの駐車場で寝るのが一般的でした。しかし2025年7月、ローソンが千葉県の7店舗で車中泊専用スペースを提供するサービスを開始。価格は2,500〜3,000円/泊で、24時間有人体制、トイレ利用可、電源供給あり、ゴミ処理も店舗で行えるというもの。開始1週間でほぼ満室という好調ぶりで、車中泊に「安心感」という新しい価値が加わった瞬間でした。
車中泊を受け入れるインフラが整いつつある
日本RV協会が推進する「RV Park」認証施設も、2024年12月時点で全国約500箇所に到達。年間の車中泊利用件数は1万件を超えています。道の駅だけではなく、温浴施設や観光施設の駐車場を活用した専用スペースが増えていることで、トイレや電源といった基本的なインフラが整備されつつあるのも追い風です。
車中泊旅の「泊まり方」3種比較
一口に車中泊といっても、泊まる場所によって快適さや料金、安心感がまったく違います。2025年現在、主に以下の3つの選択肢があります。
| 比較軸 | 従来の道の駅 | RV Park(日本RV協会認証) | ローソン車中泊(千葉県) |
|---|---|---|---|
| 利用料金 | 無料(施設による) | 無料〜有料(施設による) | 2,500〜3,000円/泊 |
| トイレ | 原則あり(24時間ではない場合も) | 24時間利用可が条件 | 店舗トイレ利用可(24時間) |
| 電源 | 原則なし | 施設による | 店舗のコンセント利用可 |
| ゴミ処理 | 原則不可(持ち帰り) | 施設による | 専用袋支給・店舗で処理可 |
| 有人管理 | 夜間は無人 | 施設による | 24時間有人(コンビニ店員) |
| 全国展開数 | 約1,200箇所(道の駅登録数) | 約500箇所(2024年12月時点) | 7店舗(2025年8月時点) |
| 予約 | 不要(先着順) | 不要(先着順) | 公式Web予約制 |
| 特徴・向き | 観光拠点として基本無料 | 温浴施設併設が多く快適性重視 | 都市部に近く安心感・利便性重視 |
(出典:日本RV協会統計、ローソン公式発表、国土交通省「道の駅」登録情報をもとに作成)
この表を見てわかるのは、「無料で自由度が高い」か「有料でも快適・安心を取る」かという明確なトレードオフがあること。自分の旅の目的や予算、そして何より「どこまでリスクを許容できるか」で選ぶべきスタイルが変わってきます。
実は多い!車中泊旅の「思わぬ落とし穴」
SNSやQ&Aサイトで実際の利用者の声を集めてみると、車中泊旅には成功体験と同時に、あるあるの失敗談もたくさん見つかりました。
寒さ対策を甘く見ていた
「夏のつもりで行ったら標高が高い場所で夜間10度切り、震えながら過ごした」という趣旨の投稿が複数確認されています。車内は思った以上に冷え込みますし、エンジンをかけたまま寝るのは騒音・排気ガス・バッテリー上がりのリスクがあります。電気毛布や湯たんぽ、断熱シートなどの準備が必須だという声が目立ちました。
トイレ問題は想像以上にシビア
道の駅のトイレが夜間閉鎖されるケースや、場所によってはそもそもトイレがないパターンも。「深夜にトイレに行きたくなって慌てた」「携帯トイレを持っていって正解だった」というリアルな声が複数ありました。どんなに快適な寝床を用意しても、この問題をクリアしないと快眠は難しいと実感している人が多いようです。
雨の日は「車内で何もできずに暇」
「雨が降ると車外に出られず、狭い車内で何時間も過ごすことになる」という声も。特に長時間の移動を伴う旅では、雨の日の過ごし方を事前に考えておかないと、車内がすぐにストレス空間になってしまいます。
雨季・寒冷期を乗り切るリアルな対策
では、そうした困難をどう乗り越えているのでしょうか。実際の長期実践者たちの声を集めると、以下のような対策が効果的だと言われています。
雨の日「持っていてよかった」アイテム
大きめの長傘やレインコートはもちろん、予備のタオルは多めに。即席食品やカップ麺は「雨で外に出られない日に車内で食事をするのに重宝した」という声が多くあります。そして意外と重要なのが除湿剤や小型の除湿機。「雨の日は車内が結露だらけになり、寝具が湿る」という悩みに対して、こうした対策をしていた人は快適に過ごせていたようです。
寒い季節の必須アイテム
断熱シートや窓用の断熱カーテン、湯たんぽは必需品という声が多数。また「寝袋だけでは不十分で、中に重ね着したり、フリースのインナーシーツを入れたりすることで格段に暖かくなった」という工夫も共有されていました。
使ってよかったvs不要だったアイテム
車中泊旅の長期実践者によるレポートを元にすると、「持っていってよかったもの」と「実はほとんど使わなかったもの」がはっきり分かれることがわかります。
これは持って行くべき!
防滑ハンガー(車内に服を干すのに便利)、アルコールスプレー(手軽に消毒・除菌)、折りたたみ式の保冷バッグ(食材の管理に必須)などは高評価。特に「使った後のお手入れが簡単かどうか」が、車内という限られたスペースでは重要なポイントになっているようです。
実は使わなかった…
一方で、「コップ」は洗い物が面倒でペットボトルで済ませるようになった、シリコン製の調理スプーンは使い勝手が悪かった、といった声も。狭い車内では「洗い物が発生するアイテム」が敬遠される傾向が強いようです。車中泊では「いかに手間を減らすか」が快適さの鍵を握っているんですね。
ファミリー車中泊で子どもとの距離が縮まった
車中泊旅は一人旅やカップル旅だけのものではありません。親子での車中泊体験についてのインタビュー記事(2022年)では、こんなエピソードが紹介されていました。
「広い家ではそれぞれがバラバラに過ごす時間が多かったが、車中泊では強制的に同じ空間で過ごす時間が増える。結果として、子どもの学校の話を聞く機会が自然と増えた」「荷物の積み下ろしや食事の準備を家族で協力することで、役割分担や思いやりの気持ちが育まれた」
もちろん子連れならではの課題もあります。騒音への配慮、子どもの夜泣きや体調管理、食事制限のある場合の対応など。でもそうしたハードルをあえて乗り越えるからこそ、家族の絆が深まるという意見は多くの家庭に共感を呼んでいます。
ローソン車中泊が変えた「安心」の基準
ここで改めて、2025年7月に始まったローソンの車中泊サービスについて掘り下げてみましょう。
このサービスが画期的なのは、「コンビニの敷地内で24時間管理された車中泊」 という新しいカテゴリを作ったことです。料金は2,500〜3,000円で、これまで車中泊の最大の不安要素だった「防犯面」「トイレ」「電源」「ゴミ処理」を一気に解決しています。
特に注目したいのは「24時間有人」という点。夜間にトラブルが起きても店員がいるというのは、女性一人旅やファミリー層にとっては大きな安心材料になります。また、コンビニ自体が24時間営業なので、食料や飲み物の調達もいつでも可能。道の駅ではできなかった「都市部に近い場所での車中泊」が実現したことで、使い勝手が格段に向上しました。
NHKが2024年秋に「宿泊費が高いから車中泊を」と放送した際には、ネット上で「安全性や快適性を軽視している」という批判も出ました。しかしあの時点では、ローソンのような管理された選択肢はまだ存在していませんでした。2025年現在は「無人の道の駅」「有人のRV Park」「24時間有人のローソン車中泊」と選択肢が整理され、ユーザーが自分のリスク許容度に合わせて選べる時代になっています。
まとめ:車中泊旅は「節約」か「新しい旅の形」か
ここまで見てきたように、2025年の車中泊旅は単なる「宿代節約の手段」から、選択肢としての成熟段階に入っています。
宿泊費がコロナ前の1.3倍に上がり、ローソンのような安心できるサービスが登場し、RV Parkも全国500箇所まで拡大。そうしたインフラ整備が進んだことで、車中泊旅は「仕方なくやるもの」から「積極的に選ぶもの」へと変わりつつあります。
でももちろん、現実的なリスクや課題があるのも事実。寒さ対策、トイレ問題、雨の日の過ごし方、そして洗い物が発生しない道具選び——そうしたリアルな落とし穴を知った上で準備をすれば、車中泊旅はお金を節約できるだけでなく、これまでにない自由で深い体験をもたらしてくれるでしょう。
旅の目的が「とにかく安く済ませたい」なのか、「新しい体験を家族や仲間と共有したい」なのか。はたまた「宿に縛られない自由度を求める」なのか。その答えによって、あなたにとって最適な車中泊のスタイルは変わってきます。
まずは無料の道の駅で試してみるのもよし、安心重視でローソン車中泊を予約するのもよし。2025年は車中泊旅の選択肢がかつてなく広がった年です。自分に合ったスタイルで、新しい旅の形を見つけてみてはいかがでしょうか。

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